World-informed Neuroscience for Diversity and Inclusion
(WINDI) Lab 笠井研究室

People

Members

笠井清登(かさい きよと)

東京大学大学院医学系研究科精神医学分野教授

兼:

東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構(IRCN)主任研究者

https://ircn.jp/mission/people/kiyoto_kasai

東京大学こころの多様性と適応の連携研究機構(UTIDAHM)参画教員

UTIDAHM

東京大学大学院医学系研究科・医学のダイバーシティ教育研究センター長

https://cdmer.jp/

 

宇野晃人(うの あきと)

東京大学大学院医学系研究科精神医学分野大学院生

巨視的には、統合失調症が軽症化へ、うつ病がメランコリー親和型から新型うつへ、神経症が抑圧から解離へ向かうような、時代の変遷と結びつけて語られる精神疾患の表現型の変化に興味があります。精神疾患を生みだすようなゆがみを糸口に、現代がどんな時代なのか考えたいと思っています。微視的には、地図を見てイメージできるくらいの範囲の生活環境と精神的健康の関係に興味があります。例えば「都市在住が統合失調症のリスクである」ことは定説とされていますが、都市内部での地域差や居住者の属性など、解像度を上げて捉えた場合にどうなるか、といったことを考えています。

 

澤井大和(さわい ゆたか)

東京大学大学院医学系研究科精神医学分野大学院生

年齢・性別や障害の有無にかかわらず、平等な医療が提供される「医療のインクルージョン」に関心があります。都市化と精神疾患の関連を探求する中で、統合失調症などの精神疾患をもつ人が、安心して地域生活を送ることができる環境にも活かせるように、取り組んで参ります。得られた知見を、長期入院後の方の退院支援などで、生活の場を共同意思決定する際に役立てたいと考えております。

 

高橋優輔(たかはし ゆうすけ)

東京大学医学部附属病院精神神経科専門研修医

「人は病いとともにどのように生きるのか」に、学生の頃から興味を持ってきました。生物学的に同じように分類される疾患(disease)でも、患者さんによって主観的に体験する病い(illness)は異なります。病める人一人ひとりの「病いの物語」を理解することは、血のかよったケアの実践にあたり避けては通れないものです。さらにこれを科学として展開し、普遍的な価値を持たせるには、①物語の背景となる地域性・時代性を一般化可能な形で描写すること、②物語の主人公である患者さんがどのように価値を内在化させ、その価値が他者や環境からの働きかけでどのように動かされるのかを精緻に理解すること、の2つが必要だと考えています。社会学・人類学的な視点と、発達神経科学的な手法を援用し、これらの課題に取り組んでまいります。

 

Collaborators

柳下祥(やぎした しょう)

東京大学大学院医学系研究科構造生理学部門講師

精神疾患を神経科学に基づき理解するとはどういうことなのかに興味があります。殆どの精神疾患はゲノムなどにより決まる遺伝的な素因と環境の複雑な相互作用で起きると考えられています。つまり神経細胞を構成する遺伝子の特徴だけをみても理解には至らない可能性が高いですが、相互作用する実態は殆どわかっていません。脳は蓄積した情報を元に機能する器官です。環境から脳に入力される情報がシナプスの可塑性などを通して保持され、その脳内情報が日々の生活機能をどのように担っているのか、を具体的に考えていくことが新しい展開に繋がるかもしれません。より具体的には、現代の都市化された環境が脳にどのような情報を送り影響を与えているのかを理解し、そのような理解を元に人は環境をどのように構築すべきなのかが議論できることを目指しています。